2026年3月25日、沖縄県振興審議会(第73回)が那覇市内で開催され、当法人代表理事の上妻毅も委員として参加しました。
本審議会は、2022年度にスタートした10年計画「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画(第6次沖縄振興計画)が計画の折り返しを迎えることを踏まえて招集され、学識経験者19人、関係団体の代表者31人で構成されています。
◆沖縄タイムス(2026.3.25)
人口減や物価高 課題に 6次振計前期検証 県、改定反映へ
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1802890
◆琉球新報(2026.3.25)
人口減など新たな課題 県振興審 基本計画改定へ議論
以下、上妻発言要旨
小規模離島の現実
評価検証報告書(案)の第5章「新たな課題に対応した施策展開の方向性」では、現計画では十分に対応できていない問題として、人口減少、物価高、人手不足の3つが挙がっている。
沖縄県全体よりも顕著に、これらが深刻な現実になっているのが小規模離島である。宮古島、石垣島を除いたこうした島々が、今のままこれからも持続可能か?という問題意識とともに私見を述べたい。
人口減少
1960年以降、石垣市を除く県内すべての離島自治体で人口の減少が続いてきた。1960年との比較で50%を超える減少となった離島町村は少なくとも9自治体、現在は10を超えていると思う。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、さらに深刻な人口減が示されている。
これまでは、島外への住民の流出による‘自然増を上回る社会減’。これが多くの島々の人口動態だった。しかし、今後は‘自然減と社会減の同時進行’という、より厳しく困難な状況に小規模離島は直面する。このことを十分に認識する必要がある。
住宅建築費用
物価と同様、あるいはそれ以上に切実な問題として、離島の住宅建築費がある。
つい最近、西表島・浦内地区のコンクリート造住宅の建築単価は1坪あたり150万円との報道があった。また、生コンクリートの単価は、過去(2006年)の調査で東京都の小笠原村(父島、母島)が1㎥あたり36,000円、本土の都内が12,000円。一方、2024年、八重山地元紙で石垣島が1㎥あたり41,000円、竹富町小浜島の町営住宅建設で89,000円という数値が報じられている。建設事業者がおらず、コンクリート工場もない離島では、住宅建築に必要な資材も、機材も、すべて島外から運び込まなければならず、また、作業員を含む人の交通費も宿泊費も発生する。
そうした輸送コストや人の移動に伴う全コストが住宅建築費に上乗せされるのが小さな島、二次離島や三次離島の現実である。
人手不足
医療、介護、行政職員、エッセンシャルワーカーなど、様々な人材の確保と人手不足に常に直面しているのが離島町村の実状である。
島の医療・福祉を支える医師、看護師、保健師、介護士、また、島の生命線である航路を支える船員、海事従事者の確保は離島住民の生活と地域の存続に不可欠である。しかし、人材の奪い合いは激しさを増しており、例えば沖縄水産高校の多くの卒業生が県外に就職しているといった状況も聞かれる。
島嶼県としての重要課題
沖縄本島と38の有人離島で構成されるのが沖縄県であることは改めて言うまでもない。
県全体の平均値をまとめるような評価検証では、ともすると小規模離島の深刻で切実、待ったなしの状況が見落とされるのではないか?という心配も伴う。現在の沖縄振興計画が対応できていない課題や問題が顕著に表れている地域への視点を大切に、今後の検討作業を進めてほしい。
加えて一点。島嶼県であるがゆえに生じるコストなど、沖縄固有の課題を改めて深掘りすることが必要と考える。





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