2019年11月14日木曜日

NPW広報/第5回「離島過疎地域振興部会」開催

20191112日、「離島過疎地域振興部会」の第5回会合が開かれました。
会場:県立離島児童生徒支援センター



これまで、「離島の定住条件の整備」、「離島の特色を生かした産業振興」「人材育成・交流推進」などをテーマに審議を進めてきた当部会の最終会議となる第5回は、審議結果のとりまとめを中心に論議が進められました。
以下、上妻の発言要旨を記します。


新たな「指標」「目標」の設定へ
離島過疎地域に関わる様々な状況や動向、対応が求められる課題などが各委員から提起された。
これまでの「指標」と「目標設定」の中では扱われていない課題がいくつも浮かび上がっている。
十年に一度実施される総点検を機に、今後の沖縄振興に求められる「新たな指標」と「新たな目標」の設定に向けた検討作業を行うべき。


「観光管理」
「観光客数の増加」を指標としてきた従来の観光振興では対応できない重大な問題・課題が生じている。(オーバーツーリズムへの対応等)
「観光管理」の視点に立った新たな対策と取組みが不可欠である。


「関係人口」
「定住」とも「移住」とも「交流」とも異なる別の切り口。
10年前の総点検や基本計画策定時にはなかった概念。
今後の離島・過疎地域の振興には、「関係人口」の観点からの取組みも重要。
(例:離島留学)


離島の産廃・漂着ごみ処理に関して
与那国町長から、「離島の産業廃棄物や漂着ごみを回収するための焼却船」導入の必要性が提起された。現実味が低い等の見方もあるようだが、それは違う。
確か平成24年度頃、離島の建設廃材を回収し、沖縄本島で処理するリサイクル船の社会実験が実施されている。(一括交付金事業)
過去の事例・実績も含めて積極的検討を行うことを期待する。


島ごとに異なるニーズを把握すること
小職の要請に対応して作成された文書(ユニバーサルサービスの提供状況に関する資料)の中、福祉担当部局から重要な回答が示された。
「高齢者のニーズは離島ごとに異なることから、ニーズの充足度を介護サービスの多寡という指標では測定できない。ユニバーサルサービスの提供の観点から示すことは困難と考える。」
まさにその通り。ではどうするかが問題。

以下、離島の介護サービスに関わるトピックを取り上げたい。
竹富町福祉支援課による意識調査:
「居住する島で最後を迎えたい」(回答者の約7割)
「病気や介護が必要になった際が不安」(回答者の8割)
「在宅サービスの充実を希望(訪問看護、困ったときに宿泊できる施設、認知症対応等)」(回答者の8割超)

以上も踏まえて申し上げる。
島ごとに異なるニーズを把握すること。
併せて、共通解を検討し、対策・取組みに反映すること。
そうした積み重ねとともに、よりきめ細かな離島振興策を実行することを求める。


「克服すべき沖縄の固有課題」としての深掘りを
離島の条件不利性の克服については、「克服すべき沖縄の固有課題」(第4章)とまで言い切って特出しをしている。しかし、その記載内容は、第3章(基本施策の推進による成果と課題及びその対策)とまったく同じ。
第3章の検討を踏まえた上、「離島の条件不利性克服」について深掘りした内容を示してもらいたい。


観光、廃棄物の課題指摘/離島過疎地域振興部会
11/13宮古毎日新聞)
http://www.miyakomainichi.com/2019/11/125630/


十年に一度の「総点検」にあたって、離島・過疎地域の現状や課題について活発な論議が交わされ、大変充実した会議になったと思います。
貴重なご指導を賜りました嘉数啓部会長をはじめ、当部会に関わられた各位に深く感謝申し上げます。