2023年9月30日(土)、琉球新報掲載記事(2面総合)にNPW代表理事・上妻毅のコメントが掲載されました。
地域外交の目標は「平和祈念資料館の入館者数増」?
沖縄県の指標に識者が“違和感”「成果ではなく課題」
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-2320454.html
2023年9月30日(土)、琉球新報掲載記事(2面総合)にNPW代表理事・上妻毅のコメントが掲載されました。
地域外交の目標は「平和祈念資料館の入館者数増」?
沖縄県の指標に識者が“違和感”「成果ではなく課題」
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-2320454.html
2023年9月7日、竹富町訪問税(仮称)審議委員会に出席しました。
竹富町において来訪者によって発生する標準以上の行政需要を原因者である来訪者に負担してもらう新たな仕組みとして「竹富町訪問税(仮称)」を制定する。
【審議事項】
(1) 竹富町訪問税(仮称)の導入に関する事項
(2) 竹富町訪問税(仮称)条例及び施行規則の制定に関する事項
(3) その他、委員会が必要と認める事項
【委員】
青木 宗明 神奈川大学経営学部国際経営学科教授
加賀谷 陽平 一般財団法人沖縄ITイノベーション戦略センター常務理事
上妻 毅 一般社団法人ニュー・パブリック・ワークス代表理事
大久 研一 竹富町議会議長
真謝 隆一 竹富町公民館連絡協議会会長
山城 秀史 竹富町副町長
以下、八重山毎日新聞記事
竹富町は7日、町内来訪者に課税する訪問税(仮称)の導入に向け、審議委員会(委員長・青木宗明神奈川大学経営学部教授)を立ち上げた。同日午前に町役場委員会室で第1回審議委員会が開かれ、制度の基本的枠組みや徴収方法、税率、導入に向けた今後の流れを確認した。同会は年度内に3回審議会を開き、来年3月の条例化、次年度以降早期の導入を目指す。
町は2007年に入域料を検討する委員会を設置、19年には環境省主体で西表石垣国立公園(西表地区)利用者負担による保全の仕組みに関する勉強会を行うなど長年、法定外目的税での徴収を模索してきた。21年からは「宮島訪問税条例」を事例に法定外普通税とする検討を開始。役場内での連絡会議や昨年実施した検討会での議論をふまえ、今回制度化に向けた審議委員会を発足した。
訪問税は▽来訪者対象▽法定外普通税▽町の全島(有人島)対象―の3点を基本方針とする。町民や町役場職員は課税対象としないほか、町内事業所に通勤する者、学校や保育施設に通う児童生徒、乳幼児なども対象外。回数券の利用者や郷友会、町民の家族、帰郷のために来訪する者などの取り扱いは今後関係者の意見もふまえて協議する。
徴収方法はコスト、徴収漏れのリスクなどを鑑み、旅客船の運賃に上乗せして徴収する案を検討。その場合は船会社が特別徴収義務者となる。導入後は窓口対応や事務手続きが増加することから、町は今後、各船会社と調整を重ね理解を求めていく。島々間の移動に際する徴収はない。
税率は総務省の同意基準や観光客に対する支払意思額調査の結果などをふまえ具体化を図る。
意見交換では「ユニバーサルツーリズムの観点から、観光困難者を課税対象とするのも一つの手」(上妻毅氏)、「伝統行事に参加する郷友会などは対象外とした方が良い」(大久研一氏)などの意見があった。
同会は条例の素案を作成、パブリックコメントを実施したのち、来年3月に町議会に上程する予定。承認されれば、総務省の同意と周知期間を経て施行する流れになる。
前泊正人町長は冒頭のあいさつで西表島の世界自然遺産登録にふれ、「町は観光管理の岐路に立たされている。訪問税はなくてはならない制度。慎重審議を重ね、早期の制度設計ができるよう知見、お力をいただきたい」と述べた。
2023年6月1日発行の月刊『日本の進路』にNPW代表理事・上妻毅のインタビュー記事が掲載されました。
「国民の誓い」として沖縄を平和と交流の島に
-南西諸島の軍事拠点化を超えて-
上妻 毅 ニュー・パブリック・ワークス代表理事
http://kokuminrengo.net/2023/06/01/post-7390/#more-7390
2023年4月9日(日)の琉球新報にNPW代表理事・上妻毅のインタビュー記事が掲載されました。
「交流の島」が「要塞の島」に 自治力高め紛争回避を
自衛隊南西シフトを問う -安保「最前線」の現場から-
識者の見方④ 上妻毅氏(ニュー・パブリック・ワークス代表理事)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1691543.html
2021年11月12日、第5回「離島過疎地域振興部会」が開かれました。
令和元年の部会発足から2年にわたる審議の最終会合となる今回は、これまでの審議結果の総括と合わせて議論が交わされました。
また、2022年度以降10年を計画期間とする新たな振興計画全体の「計画展望値」の一つ、「離島人口」についても非公開審議を行いました。
以下、上妻の発言要旨(抜粋)を記します。
37の県内有人離島、とりわけ小規模離島のニーズや課題を重視すべき。「離島市町村」や「圏域」といった十把一絡げの扱いで、例えば、小さな島の医療に関わる切実なニーズがなおざりにされるようなことがあってはならない。
事務局から報告された「グルーピングによる新しい離島振興策」は重要な試み。島の規模の相違はもちろん、交通条件、地域資源、島で提供可能なサービス、拠点病院との距離など様々な要素を整理すると、島々の条件や課題に共通性も見出せるはず。
但し、こうしたグルーピングは、グループ毎のパターンやグループ別の施策展開などに繋げるものではないはず。島単位で地域のニーズと課題を把握し、よりきめ細かく対応していくことが基本。
「計画展望値」なる沖縄県の指標は、「努力目標」の意味合いも備えている。人口動態のトレンドに即した「推計値」とは異なる。設定すべき「離島人口」は、少なくとも‘現状維持’以上であるべき。その上で、離島人口に関する厳しい将来推計も踏まえ、実効性のある取組に全力をあげるべき。
国立社会保障・人口問題研究所による推計(平成30年「日本の地域別将来推計人口」)では、2030年には県内全ての離島市町村で2015年の人口を下回り、さらに2045年には、7つの離島町村で2015年の70%を下回る人口減が予想されている。
一方、「沖縄県人口増加計画」(2014~2021年度)では、①「自然増の拡大」、②「社会増の拡大」とともに、③「離島・過疎地域の振興」が取組の柱に掲げられている。この間、離島・過疎地域に関わる人口増加計画に基づき、いかなる施策が講じられ、どれだけの成果を上げたのか。
また、拠点離島(宮古島、石垣島)と中小零細規模の離島では、施策のニーズも実施すべき内容も異なる。当該計画においてこの点はどれほど意識されたのか。
県あるいは社会保障・人口問題研究所による離島人口の「推計値」。他方、現状維持または微増を前提とする離島人口の「目標値」。この両者のギャップを埋める施策は、離島振興を‘沖縄振興の1丁目1番地’と標榜する沖縄県が政策・資源を総動員して取り組むべき。
社会増に向けた移住(Ⅰターン)促進に関しては、県外の離島や過疎地域が実践している地元行政主導の新事業創出(例:島根県海士町)を含め、‘島に仕事を創る’取組が重要。沖縄県は本腰を入れて支援すべき。
復帰半世紀という歴史的な節目を迎える中、<離島・過疎地域>という視点/立ち位置から、これからの沖縄振興のあり方を考え、審議を重ねる貴重な機会に参加できました。
長期間にわたる当部会の審議にあたっては、たくさんの方々に大変お世話になりました。深く御礼申し上げます。
とりわけ、部会長として一方ならぬご指導と貴重なご教示、各般のご高配をいただいた嘉数啓先生に衷心から感謝の意を表します。
2021年9月13日、第4回「離島過疎地域振興部会」が開かれました。
新たな振興計画(素案)の審議として実質最後の機会となる今回は、「新たに生じた課題への対応」を主要テーマに論議が行われました。
以下、上妻発言要旨を記します。
▽産業に携わる担い手不足が深刻
離島を支える多様な人材の確保
▽人材の柔軟かつ流動的な活用を支える制度づくり
▽県外からのUIターン促進、ワーケーションなど多様な働き方への対応
人口減少対策と地域の存続
▽小規模離島や過疎地域の小中学校の維持・存続など
離島・過疎地域における関係人口の拡大
▽定住、交流だけではない「関係人口」の創出
▽離島留学など具体的取組の推進
その他
▽農業等の新規参入者が定住できる住居がない
▽沖縄の離島では空き家が活用されていない
地域・コミュニティの存続、人材の確保・育成、UIターン促進、関係人口創出、移住・定住を支える住宅整備などについて、個別の施策実施にとどまらず、相互の関連性を踏まえた取組(施策連携)を強化すべき。
過疎・辺地地域の振興
▽社会的サービスや集落機能の維持 ▽UJIターンの環境整備、関係人口の創出等
離島・過疎地域における社会減対策の強化
▽従来の定住条件の整備にとどまらない持続可能な地域づくり
▽地域の活力確保、緩やかな人口減少への対応、豊かさを失わない「適疎」の視点
持続可能な地域づくり
▽社会サービスとコミュニティの維持・存続
▽地域を支える多様な関係人口との発展的連携
UJIターンの促進と離島力の発揮
▽UJIターンと新たな人材の確保(専門人材を含む)
▽子育て支援体制や教育環境の充実
人口減少地域の農林水産業や商工業の担い手の確保を目的に、地元が出資・設立する人材派遣組合を支援。
季節毎の需要に応じて複数の仕事に従事する移住者などに年400万円程度の給与を保証。(国と市町村が半額負担)
人手を必要としながら雇用には踏み切れない実情等を考慮し、働く場の確保、移住・定住の促進を図る。
○郷里出身者、地域にルーツがある者(郷友会、その他)
○一時的転入者、地域外からの通勤・通学者、ボランティア
○縁故者(過去の勤務・居住・滞在など何らかの関わりがある者)
○ふるさと納税者、旅行者・観光客(リピーター)、その他
(1)準島民制度
複数の国境離島自治体で導入され、航路運賃割引等の対象となっている。
(例)島外在住の生徒・学生、離島留学生の家族・保護者、体験移住・居住・就業等を目的とする来島者、反復・継続して研修等を行う者
(2)ふるさと住民制度
徳島県佐那河内村:ゆかりのある村外の人を登録。ふるさと住民票の交付、地域おこし支援員としての村づくりへの参加など。
(3)その他
リモートワーカー、オンラインで繋がる新しい関係者・縁故者など
多種多様な関係人口は数値化が困難。「増やす」よりも「深さ」「強さ」が重要。
「行ったこと/買ったこと/住んだことがある」を超える関係づくりが要件。
離島を核とする関係人口の創出と移住促進(素案P157)
▽働きながら離島地域での滞在を満喫できる環境整備 ▽ワーケーション来訪者や地域振興に関心のある企業と接する機会を設けるなど関係人口との連携による新しい地域づくり
「新たに生じた課題」に位置づけられた重要事項にもかかわらず、<離島を核とする関係人口の創出>に係る施策は貧弱かつ不十分ではないか。
関係人口の多様性や状況把握の難しさなどから、何をすればよいかが明確ではない状況も推察。沖縄県として以下の取組を打ち出すべき。
(1)関係人口の創出・拡大と新しい地域づくりに関する調査・研究等の推進
(2)関係人口との連携による活性化や地域づくりを目指す市町村の取組支援
○島に関心を持つ人材と地域を結ぶマッチング事業
○快適なリモートワークを支える環境整備(滞在、就労、生活、居住等)
○新たな関係人口創出を視野に入れたレスポンシブルツーリズム等の推進
島の魅力や価値を旅行者や観光客が共有するレスポンシブルツーリズムは関係人口創出を導く新たな手立て。ユニバーサルツーリズムを通じた観光困難者(障害者、高齢者、療養者等)と家族等を対象とする新しい関係構築も考えられる。
○公営住宅の入居要件を充たさないUIターン者等に適応する住宅整備
○ワーケーションを含む多様な滞在・居住のニーズを踏まえた住居等の提供
島根県海士町では、家主から10年間空き家を借り受け、町が家屋改修や固定資産税の負担等を行う取組を実施。
地域コミュニティの活動支援(素案P68~69)
持続可能な地域づくりを担う人材の育成・確保(素案P171)
地域産業を担う人づくり(素案P174~175)
持続可能な地域づくりを支える取組として、個別の施策実施にとどまらず、地域の実状を踏まえた実効的推進、施策間の連携、適切な政策評価を求める。
<地域コミュニティの活動主体><地域づくりの担い手となる人材>に関しては、離島や過疎地域の実態に適う施策と成果指標の設定が必要。
<地域産業を担う人材>に関しては、前掲「特定地域づくり事業協同組合制度」の活用を含め、地域の切実なニーズに応える取組を求める。
今後の離島・過疎地域では‘自然減の中の社会減’への移行、‘限界離島’の発生等も懸念される。
持続可能な地域づくりを軸に市町村との連携を強化し、関係人口の創出・拡大を含む新しいアプローチを多角的に推進すること。
2021年9月1日、第3回「離島過疎地域振興部会」が開かれました。
会議後半は「農林水産業振興部会」との合同会議として開催され、「離島ごとの環境・特性を生かした農林水産業の振興」等をテーマに論議が交わされました。
以下、上妻発言要旨
離島過疎地域の人口
(ア)県内15の離島市町村:沖縄県全人口の8.6%ほど
(イ)離島市町村に北部4町村を加えた離島過疎地域:全人口の約10%
一方、(ア)(イ)の農林水産生産量が沖縄県全体に占める割合は格段に大きい。
新しい振興計画の中で‘離島過疎地域が生産地として果たしている大きな役割’が明確に読み取れるよう配慮願いたい。
産業が限られる離島過疎地域にとって農林水産業は非常に重要。
・一次産業が基幹産業の島 (例)黒島、多良間島
・就業者の6~7割を一次産業が占める島もある (例)津堅島、来間島
人口減少の観点からも‘持続可能な産業かつ雇用’としての農林水産業の重要性は極めて大きい。
◆就業者数の減少
危惧されるのは就業者数の減少。
県内37有人離島の産業別就業者の増減(国勢調査ベース)
・農業従事者:2010年9,763人→2015年8,684人(△1,079人)
相当規模の減少であることは間違いない。
2015年→2020年はどうだったか?
「総点検報告書」(2020年3月)に挙げられた対策
○農林水産業、食品加工業等を支える担い手の育成や技術支援
○新規就農者の長期的な育成・確保(青年、女性、農外など幅広い層への研修の充実等)
○雇用就農の促進および受け皿の農業法人の育成、就農希望者とのマッチング等
2010~2015年の農業従事者の減少
・沖縄全体:2,004人(25,981→23,977)=7.7%減
・離島地域:1,079人(9,763→8,684)=11%減
離島の就業者減少はより顕著。‘それは致し方ない’ということか?
<離島ごとの環境・特性を生かした農林水産業の振興>(素案P131~132)を読む限り、就業者減少への対応策は見えない。
<農林水産業を支える多様な担い手の育成・確保>(素案P175)、<担い手の経営力強化>(素案P120~121)で離島地域もカバーするということか?
沖縄の農林水産の基盤である離島過疎地域で、県全体に先駆けて‘担い手の減少’が進行中。
その一方で「生産量」「生産高」の拡大を見込めるのか?
‘今後、状況は深刻化していく’という想定の中で「持続可能なモデル」を創れるか。離島過疎地域の切実な状況を踏まえた政策、具体策の検討を願う。
以下、追加意見
素案記載の骨子
○各離島の特色を生かした園芸作物のブランド化
→定時・定量・定品質の出荷が可能な拠点産地の形成など
○流通条件の不利性解消
→流通施設の整備、輸送コストの低減など
○域内経済循環の拡大
→農商工連携による付加価値の創出、生産品のブランド化など
これらは、県全体の農水振興関連施策と合わせて展開すべき。
関連施策<多様なニーズに対応するフードバリューチェーンの強化>(素案P118)
○食品産業など他産業との連携による農林水産物の付加価値向上
○農林水産物の輸送コストの低減対策、総合的な流通の合理化
○地産地消等による県産農林水産物の消費拡大
離島過疎地域の園芸作物(島野菜、薬草など)の生産・技術支援とより強く結びつけるべき。
→健康・長寿に関わるエビデンス(例:抗酸化物質、ミネラル)とともに付加価値を創出、さらにブランド化を目指す。
○生産地から消費地までのコールドチェーン体制の確立、船舶輸送を基本とするモーダルシフトへの移行促進
○成果指標:「県外出荷量のうち船舶輸送での出荷量の割合」
Q:離島の流通条件の不利性解消につながる話なのか?
Q:「生産地から消費地までのコールドチェーン体制」 に小・中規模の離島は入っているのか?
Q:「船舶輸送での出荷量の割合」が輸送コスト低減と流通合理化の指標となるのか?
Q:離島の流通条件の不利性解消の具体策はあるのか?
ex.流通施設の整備、輸送コストの低減(施策、成果指標など)
地産地消:離島過疎地域の経済循環、強いコミュニティ経済の実現に不可欠。
ホテル・飲食店等との連携強化については、施設や店舗のない離島過疎地域の生産者を含め、契約栽培の促進・支援を強化してもらいたい。
食育、特に給食を通じた地産地消の拡大は離島過疎地域の生産者も巻き込んだ展開に期待。
資源とアイディアを総動員し、「島内」「域内」「県内」など 異なるスケール/エリアに則した多元的な地産地消を推進されたい。