2019年12月13日金曜日

報道記事/西表島「利用者負担による保全の仕組み」関連


2019年12月10日、環境省主催の公開会議に出席しました。



・西表石垣国立公園(西表地区)「利用者負担による保全の仕組み」勉強会
・会場:竹富町離島振興総合センター(西表島大原)
・主催:環境省西表自然保護官事務所




2019年12月4日水曜日

報道記事/「竹富町観光案内人条例」関連

2019年11月28日、沖縄タイムスに以下の記事が掲載されました。




悪質ガイド後絶たず…世界遺産の登録前に西表島、観光ガイドを免許制に
(11/28沖縄タイムス)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/503492


2019年11月14日木曜日

NPW広報/第5回「離島過疎地域振興部会」開催

2019年11月12日、「離島過疎地域振興部会」の第5回会合が開かれました。
会場:県立離島児童生徒支援センター



これまで、「離島の定住条件の整備」、「離島の特色を生かした産業振興」「人材育成・交流推進」などをテーマに審議を進めてきた当部会の最終会議となる第5回は、審議結果のとりまとめを中心に論議が進められました。
以下、上妻の発言要旨を記します。


◆新たな「指標」「目標」の設定へ
離島過疎地域に関わる様々な状況や動向、対応が求められる課題などが各委員から提起された。
これまでの「指標」と「目標設定」の中では扱われていない課題がいくつも浮かび上がっている。
十年に一度実施される総点検を機に、今後の沖縄振興に求められる「新たな指標」と「新たな目標」の設定に向けた検討作業を行うべき。


◆「観光管理」
「観光客数の増加」を指標としてきた従来の観光振興では対応できない重大な問題・課題が生じている。(オーバーツーリズムへの対応等)
「観光管理」の視点に立った新たな対策と取組みが不可欠である。


◆「関係人口」
「定住」とも「移住」とも「交流」とも異なる別の切り口。
10年前の総点検や基本計画策定時にはなかった概念。
今後の離島・過疎地域の振興には、「関係人口」の観点からの取組みも重要。
(例:離島留学)


◆離島の産廃・漂着ごみ処理に関して
与那国町長から、「離島の産業廃棄物や漂着ごみを回収するための焼却船」導入の必要性が提起された。現実味が低い等の見方もあるようだが、それは違う。
確か平成24年度頃、離島の建設廃材を回収し、沖縄本島で処理するリサイクル船の社会実験が実施されている。(一括交付金事業)
過去の事例・実績も含めて積極的検討を行うことを期待する。


◆島ごとに異なるニーズを把握すること
小職の要請に対応して作成された文書(ユニバーサルサービスの提供状況に関する資料)の中、福祉担当部局から重要な回答が示された。
「高齢者のニーズは離島ごとに異なることから、ニーズの充足度を介護サービスの多寡という指標では測定できない。ユニバーサルサービスの提供の観点から示すことは困難と考える。」
まさにその通り。ではどうするかが問題。

以下、離島の介護サービスに関わるトピックを取り上げたい。
竹富町福祉支援課による意識調査:
・「居住する島で最後を迎えたい」(回答者の約7割)
・「病気や介護が必要になった際が不安」(回答者の8割)
・「在宅サービスの充実を希望(訪問看護、困ったときに宿泊できる施設、認知症対応等)」(回答者の8割超)

以上も踏まえて申し上げる。
島ごとに異なるニーズを把握すること。
併せて、共通解を検討し、対策・取組みに反映すること。
そうした積み重ねとともに、よりきめ細かな離島振興策を実行することを求める。


◆「克服すべき沖縄の固有課題」としての深掘りを
離島の条件不利性の克服については、「克服すべき沖縄の固有課題」(第4章)とまで言い切って特出しをしている。しかし、その記載内容は、第3章(基本施策の推進による成果と課題及びその対策)とまったく同じ。
第3章の検討を踏まえた上、「離島の条件不利性克服」について深掘りした内容を示してもらいたい。


観光、廃棄物の課題指摘/離島過疎地域振興部会
(11/13宮古毎日新聞)
http://www.miyakomainichi.com/2019/11/125630/


十年に一度の「総点検」にあたって、離島・過疎地域の現状や課題について活発な論議が交わされ、大変充実した会議になったと思います。
貴重なご指導を賜りました嘉数啓部会長をはじめ、当部会に関わられた各位に深く感謝申し上げます。

2019年10月25日金曜日

NPW広報/第4回「離島過疎地域振興部会」開催

2019年10月23日、「離島過疎地域振興部会」の第4回会合が開かれました。
会場:新沖縄県立図書館(会議室)



第4回部会では、「人材育成・交流推進」を中心に審議が行われました。
以下、上妻の発言要旨を記します。


◆災害発生時を想定した情報通信基盤の強化
ユニバーサルサービスの提供に関連し、情報通信基盤の整備状況が報告されたが、非常時、特に災害発生時の通信インフラの重要性を改めて提起したい。
9/30から10/1にかけて発生した八重山諸島での通信障害では、竹富町役場と町内各島の住民・消防団等との双方向の連絡が不能となった。
複数の島々で構成される自治体も念頭に、情報通信基盤を強化する必要がある。

◆離島におけるテレワーク活用への支援
与那国町長から、「離島でもIT技術を活かすことができる産業・雇用づくり」の必要性が提起された。一つの具体策として、テレワークの活用・推進を提言したい。
ITを活用し、遠隔地の不利性を解消するという面から、特に離島におけるテレワークの利活用や普及に向けた重点的支援を講じることが望まれる。


◆観光人材の育成に関して
観光人材育成研修は‘受講者数が目標値を上回っている’ とのことだが、現在取り組まれている「観光人材の育成」は、もっぱらサービスを提供する人材の育成・確保が中心か?
今後は、観光管理計画や観光地経営など、地域主体の観光を支える人材の育成がより重要な課題ではないか。その意味では、DMO等との関係も重要と考える。
‘行政と民間が連携した取組体制を強化’とあるが、離島観光を支える人材の育成や体制の整備について、沖縄県としての認識や考え方を伺いたい。


◆交流・協力活動の促進に関して
‘本島の児童生徒を離島へ派遣し、離島地域の人々との交流を通じて離島の重要性、特殊性及び魅力等の認識を深めさせる取組などを行った’とのこと。ここでいう‘特殊性’とは、どう理解すれば良いか?
また‘本島住民の離島地域への関心は低い状況にある’との旨だが、何をもってそのように現状を評価したのか、根拠等があれば教えてほしい。また、なぜ関心が低いのか、分析や考察があれば教えてほしい。


◆関係人口の視点から見た離島留学の意義
‘交流人口を増大させ、離島地域の活性化を図る必要がある’との方向性が示されているが、別の観点からのアプローチもあって良いのではないか。
具体的には「離島留学」という取組みについて、「関係人口」「県外」への視点と合わせて申し上げたい。
離島留学は、県内では渡嘉敷島,慶留間島,鳩間島,久高島(小中学校)、 久米島(高等学校)などで実施されている。また、全国各地の過疎地では、山村留学も長年にわたって行われてきている。
総点検報告書では‘社会的サービスや集落機能を維持する持続可能な地域づくり’が明記されているが(P675)、離島・過疎地域の存続(地域社会の維持)のための切実な取組みとして、また、関係人口を創出する具体策として、改めて「離島留学」を評価し、位置づけるべきではないか。



報告書作成で意見交換 「通信インフラ問題明記を」
(10/24八重山日報)



県振興審議会部会で意見交換 「離島の人材育成に力を」
(10/24八重山毎日新聞)


2019年10月15日火曜日

NPW広報/第3回「離島過疎地域振興部会」開催

2019年10月11日、「離島過疎地域振興部会」の第3回会合が開かれました。
会場は、高校のない離島から沖縄本島に来た生徒のための寄宿舎「県立離島児童生徒支援センター」。
「群星(むるぶし)寮」の愛称で知られる同センターでは、現在151人の生徒が寮生として生活し、郷里を離れて学業等に励んでいます。





第3回部会では、「離島の特色を生かした産業振興と新たな展開」をテーマに審議が行われました。
以下、上妻の発言要旨を記します。


◆農産物・農産加工品のブランド化
離島・過疎地域産品のブランド化の成功事例があったら教えてほしい。
豊富な抗酸化物質や高ミネラル成分を有する島野菜、薬草などがあるが、エビデンスの解明を含め、品質や付加価値の立証に必要な支援は行われているか?


◆小規模離島事業者への支援(特産品の販路拡大など)
‘少量・多品種・高付加価値商品の島外への販路拡大’は重要。
‘支援が行き届きにくかった小規模離島の事業者への支援’について、これまでの取組み、今後の展開や可能性について教えてもらいたい。


◆着地型観光プログラムに係る基礎データについて
観光客増加への誘客活動(量の拡大)にとどまらない観光振興(質の向上)が課題。
離島観光の現状を把握し、今後の振興を考える上で必要な、各離島の「観光客の滞在期間」(宿泊、日帰り等の状況)、「観光消費額」(総額、一人当たり)等は把握できるか?
‘島々の個性や魅力を生かした着地型観光プログラムの開発’に必要な基礎データの整備を求める。


◆地元収益拡大への取組み(新たな旅行商品の造成、担い手の育成)
‘認知度が低い小規模離島への重点的支援’は重要。それぞれの島の条件・状況と地域のニーズに適う支援を講じるべき。
‘個人旅行・フリープランが主体となっていることを踏まえた旅行商品造成’には、地元の収益を重視した具体策が必要。
「第3種旅行業者」制度(区域を限定した募集型企画旅行が実施可能)の活用など、離島における担い手の育成・支援を行うべき。
地元収益の創出・拡大に関わる県の取組みを訊きたい。


◆クルーズ船誘致について(観光管理の視点から)
「寄港回数の増加」だけを指標とする目標値の設定にいささか違和感を覚える。
寄港地の利益に結びつかない等、クルーズ船ツアーは必ずしも手放しで歓迎できるものばかりではない。近年はクルーズ船の寄港を規制・制限する動きも世界各地の観光都市でみられる。
経済効果の検証(例:現地での一人当たり観光消費額)、寄港に伴う問題(例:交通や環境への影響)を含め、総合的な分析・評価が必要ではないか。
クルーズ船について、良質な観光を確保する「観光管理」の視点と対策を求める。


◆外国人材の活用に関して
改正入管法に基づく「特定技能外国人」は新たな焦点。
今後5年間の宿泊業分野の受入上限は22,000 人(全国)だが、本当に‘受入れ拡大に向けた取組’を推進するのか?
人手不足を補う「労働力」としてだけでなく、「生活者」として外国人を受け入れる体制の整備が不可欠。地域社会との関わりを抜きにした安直な受入れは進めるべきではない。
報告書が明記する‘多様な人材の就業促進、職業能力向上、労働環境・処遇改善への取組’がより重要。


◆世界自然遺産登録と持続可能な観光
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録後は、さらに多くの観光客が押し寄せる状況が想定される。
守るべき環境の保護・保全にあたって「オーバーツーリズム対策」は喫緊の課題。
観光客の拡大を基調とする従来の方針の中、十分な‘持続可能な観光管理’を行えるのか、いささか懸念を感じる。
「世界自然遺産候補地連絡会議」西表島部会では、①「受入れ可能な来訪者の調査・設定」、②「地域主導の来訪者管理体制」、③「環境負荷低減のための来訪者負担金」、④「観光関連産業が地域社会に貢献する仕組み」を含む基本計画素案が示された。
①~④は‘持続可能な観光管理’のための重要事項。世界遺産登録の対象地区だけではなく、他の離島でも検討すべき課題と考える。


◆「観光客数の増加」だけを目標とするのか?
「目標とするすがた」の達成状況について、<離島への観光客数の増加>を指標に、基準値166.5 万人(平成25年)→現状値271.3 万人(平成29年)等の状況が示され、さらに、令和3年度の目標値として380 万人が明記されている。
今後も「量の拡大」を最優先とするなら、こうした離島観光振興策には違和感を覚える。
オーバーツーリズムも、観光公害も、受け入れる側がきちんとした観光管理をやるか・やらないかが焦点。
今回の総点検を機に、「観光客数の増加」だけを評価指標とする目標設定の見直しと改善、「持続可能な観光管理」を重視した離島振興の必要性を申し上げておきたい。



オーバーツーリズム対策 「総合的な分析必要」
(10/12八重山毎日新聞)



離島観光 持続可能に 適切な客数、質求める
(10/12琉球新報)


2019年9月21日土曜日

NPW広報/沖縄県振興審議会「離島過疎地域振興部会」開催

2019年9月17日、沖縄県振興審議会の9つの専門部会の一つ、「離島過疎地域振興部会」の第2回会合が開かれました。
委員は12名。部会長は国際的な島嶼学研究の第一人者でもある嘉数啓琉球大学名誉教授。NPW代表理事・上妻は副部会長として参画しています。


沖縄県振興審議会「離島過疎地域振興部会」委員
嘉数  啓 琉球大学名誉教授(部会長)
上妻  毅 一般社団法人ニュー・パブリック・ワークス代表理事(副部会長)
新垣 盛雄 一般社団法人沖縄旅客船協会 会長
鯨本あつこ 特定非営利活動法人離島経済新聞社 統括編集長
金城 清典 琉球エアーコミューター株式会社 代表取締役社長
古謝 安子 琉球大学医学部講師
崎原 永作 公益社団法人地域医療振興協会 理事
富永 千尋 琉球大学研究推進機構研究企画室 特命教授
外間 守吉 沖縄県離島振興協議会会長/与那国町長
諸見里安敏 沖縄県離島海運振興株式会社 代表取締役社長
山城 定雄 公益社団法人沖縄県地域振興協会プログラムオフィサー
龍  秀樹 株式会社NTTドコモ九州支社 沖縄支店長


8月の第1回会合に続く今回は、「離島の定住条件の整備」を主題に審議が行われました。
事務局(県企画部地域・離島課)より『沖縄21世紀ビジョン基本計画等総点検報告書(素案)』に則した報告・説明が行われた後、離島・過疎地域の現状や課題を中心に、各委員から様々なコメントや意見が述べられました。
その中には、沖縄県としての取組みは充分か、地域・住民の切実なニーズに対応しているのか、といった問いかけや問題提起もありました。

以下、上妻の発言要旨を記します。


◆ユニバーサルサービス=地域による分け隔てのない便益の提供
定住条件整備として十分だったこと・不十分だったことをクリアにする意味から、ユニバーサルサービスの提供に至っていないところは何か、状況を把握したい。


◆超高速ブロードバンド環境の構築
基盤整備率83.7%(平成29年度)
残り16.3%の未整備の離島を確認したい。
特に小中学校があって、なお未整備の地区は?


◆「沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業」など
将来にわたっての実施や安定運用を懸念する声あり。
‘実施効果があった’ことよりも‘継続できるか’が切実かつ重大な問題。
恒久制度化と安定的財源の確保が重要課題。


◆海岸漂着物の回収・処理
十分な取組みが行われてきたと言えるか?
長年にわたって大量の漂着が繰り返され、生態系等に多大な負の影響を与えている。
特に緊急性の高い「危険・有害な漂着物」について、早急に実態の把握を。
また、市町村とともに、対策に必要な措置を国に強く求めるべき。


◆離島患者の経済的負担軽減
交通費の補助だけでなく、がん・難病など島外で治療等が必要な離島在住の患者と家族のための宿泊施設(ファミリーハウス)等も重要。
支援継続、必要に応じて強化を。


◆宿泊税(法定外目的税)について
県が導入への準備等を進めている「宿泊税」は、離島住民も課税対象となるのか?
島では果たせない目的を充たすための宿泊にも課税するのか?
適切な措置が講じられないとすれば、当「宿泊税」は「離島の定住条件整備」に逆行する。


◆医療・福祉分野の専門人材の確保
‘質の高い福祉・介護人材を地域完結型で育成’とあるが、本当に地域完結型で人材を育成できるのか?
介護-医療の連携、地域社会での認知症対策強化等の状況下、看護師など医療系専門人材の確保は小中規模の離島にとって非常に切実な問題。


◆過疎・辺地地域の振興に関して
市町村別や島別に過疎の進捗状況等を把握することが先決ではないか。
過疎・辺地の振興に関する取組みは、道路整備、移住対策、その他(地域づくり人材等)に尽きるのか?


離島地域の「廃棄物処理」について、総点検における扱いを問う。
課題では言及しながら(広域的対応が困難、高コスト構造とならざるを得ない..etc.)、現状、取組み、成果ともに不明。
一般廃棄物処理が市区町村の事務であることは承知。他方、『21世紀ビジョン』では、離島の生活基盤の充実・強化について‘県民全体で支え合う新たな仕組みを構築’の旨を明記。
離島自治体の深刻な実状等をふまえ、取り組むべき課題や方策など、「廃棄物処理」について総点検としてしっかり扱うべき。


◆移住対策
専門的人材の確保に向けた移住対策の強化も重要。
例えば「保育士」の確保を目的とする事業等も実施されている。その実績は?


◆UJIターンの環境整備
具体的な取組み状況は?


◆持続可能な地域づくりの具体策
‘社会的サービスや集落機能を維持する持続可能な地域づくりに取り組む必要がある’との記載。
極めて重要と考えるが、その具体策は?



離島住民へ影響懸念 離島過疎振興部会開く 県が進める宿泊税
(9/18八重山日報)
https://www.yaeyama-nippo.co.jp/archives/8923


本部会は、あと3回の会議開催(年内)を予定しています。
離島・過疎地域の実情と課題を見据えた論議を通して、審議会がより有意義なものとなるよう、微力を尽くしたいと思います。


2019年8月7日水曜日

NPW広報/第3回「竹富町観光案内人条例(仮称)制定検討委員会」開催

2019年7月30日、第3回「竹富町観光案内人条例(仮称)制定検討委員会」が竹富町役場で開催されました。
委員会として締め括りの審議となる本会合では、先立って行われた西表島での地元事業者との意見交換会(7月17・18日)の状況が報告されるとともに、草案作成にあたっての重要事項が論議されました。



その上で、当委員会としての「総括」が提示され、今後の主要スケジュール(町議会への条例案上程、実施体制の整備、条例施行後の運用)を前提に、事務局および竹富町への申し送り事項が明記されました。


委員会について


◇本委員会は、竹富町内の貴重な自然環境やその生態系を守り、保全と活用の両立を実現させるため、「自然観光ガイドの届出制度に関する事項や自然観光ガイドが遵守すべき事項等を盛り込んだ条例の制定」を図ることを目的に発足した。

◇令和元年5月18日、6月25日、7月30日の三回にわたって会議を開催し、委員、事務局及び関係者による審議・検討等を行った。

◇「竹富町観光案内人条例(仮称)」の制定は、質の高い自然観光ガイドが重要な担い手となり、行政・関係機関等との連携、地域社会の理解と協力とともに、持続可能なエコツーリズムの推進等を目指すものであり、貴重な自然環境の保全と次代への継承、また、今後の本町全域の地域振興にとって極めて重要な取り組みである。

◇特に、西表島の世界自然遺産登録を念頭に置いた自然環境・生態系の保護、オーバーツーリズム対策は喫緊の課題であり、自然環境の過剰な観光利用の防止においても、自然資源を活用する観光ガイド事業の適正化は不可欠の要件である。

◇このような認識とともに、本委員会では、自然観光ガイドに関して、「登録の要件や手数料、更新そのほか観光ガイドの届出及び登録に関する事項」「登録された自然観光ガイドが遵守すべき事項」「罰則や行政処分に関する事項」「そのほか検討委員会が必要と認める事項」を検討事項とする審議・検討等を実施した。


条例の制定と推進に関して


◇本条例のあるべき方向性として「地域に根差した質の高い事業者を確保できる設計」を旨とする事務局方針を支持する。但し、町外の事業者など外者の不合理な排除とならないよう、適切な配慮等を講じること。

◇制度設計に関しては、下記の事項を条例案作成もしくは条例制定後の運用にあたっての重要事項とする。
・免許制
・研修制
・更新制
・条例違反者への対応
・罰則規定
・行政の負担軽減と協議会等支援組織の設置

◇本条例に基づいた措置や取り組みは西表島での先行的実施を前提とし、着実な条例適用を図る。但し、条例の適用範囲は西表島に限定せず、竹富町全体を対象として制定する。

◇西表島以外の島々については、地域の課題や条例適用の必要性、求められる条件整備等を考慮しながら、各島の事情に即した適切な運用を図る。

◇本条例は、海外を含む内外への竹富町の明確な意思表示としての重要性を有する。
・次代に継承する島々の豊かな自然環境の保全と適切な活用
・持続可能な観光及び地域振興の政策的推進
・世界自然遺産登録が見込まれる西表島における先駆的な取組み

◇本条例の実効ある運用に関し、以下の懸念事項が提起された。すなわち、条例に違反した者へのペナルティ(営業停止、資格取消など)は、あくまで本条例に従って営業許可を得た者が対象であることから、
「竹富町の条例などお構いなく、西表島での観光ガイド業を行う者(悪質業者を含む)に対し、本条例は実効的な対策を講じることが不可能ではないか」
「上記の者は、その多くが竹富町外に存在もしくは発生することが予想される」
など、条例適用後も憂慮される状況や問題が指摘された。

◇本条例が機能し得る範囲等を明確にしつつ、罰則規定に基づく措置や抑止効果、「特定自然観光資源」に係る取り決めをはじめとする関係法令・規則との効果的連携など、懸念事項を克服する仕組みづくりと制度運用を求める。

◇本条例の運用を支援する新たな仕組みについて、以下の建設的提言が提起された。
・登録事業者及び登録希望者向け支援体制としての研修センター(仮称)の設置
・観光庁登録「地域連携DMO」である八重山ビジターズビューローの活用
・制度運用全般について適正評価を実施する体制の整備


今後の取り組みについて(申し送り事項)


◇町議会への上程を前提とする条例案(草案)の作成、また、施行規則等の検討・作成を担うワーキンググループ等の早期編成を図ること。

◇条例案及び施行規則等の検討・作成にあたっては、専門的知見を有する有識者の指導・支援を仰ぎ、最善の制度設計に努めること。
その際、「条例で定める事項」と「条例以外(施行規則・その他)で定める事項」を的確に整理し、実効的運用が可能な制度設計を図ること。

◇将来の条例適用区域の拡大(西表島沿岸海域、西表島以外の町内各島)を念頭に、その円滑な実施が可能な制度設計に十分な考慮と創意工夫を図ること。

◇行政とは異なる立ち位置で本条例の実効的推進を支える地元事業者(観光ガイド等)との十分な意思疎通と協議・調整、発展的な協力関係の構築に努めること。

◇必要に応じて、本委員会委員等の意見・助言や支援・協力を積極的に求めること。




2020年4月の条例施行、そして、同年6~7月に見込まれる世界自然遺産登録を前に、‘やるべきこと(Things to Do)’は山積しています。
併せて、条例違反者への罰則を含め、‘実効ある制度’を支える体制の構築が不可欠の要件となっています。
条例の起草に携わった委員の一人として、今後とも積極的に協力してまいります。