2026年4月14日火曜日

琉球朝日放送『検証 動かぬ基地』-普天間返還合意から30年-

 2026410日、琉球朝日放送(QAB)で以下の特集が放映されました。

『検証 動かぬ基地』

普天間返還合意から30年 沖縄が描いた「グランドデザイン」とは

https://www.qab.co.jp/news/20260410289965.html

1996年の普天間基地返還合意から三十年の節目に制作される特集の皮切りとなる報道で、当法人は、関係資料の提供、東京支社でのインタビューなどの協力をさせていただきました。

特集です。普天間基地の返還に日米両政府が合意してから12日で30年が経ちます。

今回は『検証 動かぬ基地』と題して、基地から派生する問題や国の安全保障について検証する特集を改めてお送りします。

30年前、当時の大田県政が描いていた「国際都市形成構想」。基地を含めた沖縄全体の構想を、新たに見つかった資料とともに振り返ります。


橋本龍太郎総理(当時)

「普天間飛行場は今後5年ないし7年以内に、これから申し上げるような措置が取られた後に、全面返還されることになります」

19964月、当時の橋本総理が表明した普天間基地の全面返還。

一方、当時の沖縄県政は、米軍基地のない未来と自立的な発展を描いていました。その計画に迫ります。

ニュー・パブリック・ワークス 上妻毅氏

「(基地で)虫食い状態の県土だけを相手にする将来構想ではなくて、基地を返還せしめ、その跡地を利用していくということでは、リンクというより表裏一体な話」

上妻毅さん、1990年代の県の構想策定に携わったコンサルタントです。当時の県が策定したのは「国際都市形成構想」。基地の存在を前提とせず、県内各地に国際交流や物流拠点などを置き、自立的発展を目指したプランです。

実務面を取り仕切ったのは、当時の吉元政矩副知事。

吉元政矩副知事(当時)

「沖縄は、東アジア、南太平洋を含んだ中心、ど真ん中という意識を持っていただきたい」

「(沖縄から)3000㎞でぐるっとコンパスを回す。その範囲は私たちの職域、働く範囲。そこまで手を伸ばしてみようじゃないかというのが、国際都市形成の一つの考え方」

周辺国や地域とのつながりを目指して、1992年頃から県は計画策定を進めていました。そうした中で起きた、1995年のアメリカ兵による少女暴行事件。

県内から基地の整理縮小を求める声が高まる中、全国的にもいわゆる「沖縄問題」が注目を集めました。

当時の大田知事と村山総理の会談。県側は、このタイミングで国際都市形成構想と合わせ、基地返還を求める「アクションプログラム」の試案を政府側に示します。

上妻さんは最近、書類を整理する中で、当時、政府側に示した資料を見つけたといいます。この時、国際都市形成構想での自立発展とセットで示した、3段階に分けて基地の返還を求めたアクションプログラム。非現実的とみる政府側の反応もある中で、こう切り返していたといいます。

上妻氏

95年当時、(官僚は)2015年に嘉手納を返すなんてもう笑っちゃう、お花畑みたいな話、それに近い趣旨で言ったんだと思う」

「(吉元副知事が)20年先の話を可能性も含めてあなたは断言できるのかと言ったら、(政府側は)それ以上しゃべらなかったという話を聞いた。ありとあらゆるポシビリティがあると思うわけ」

一方、大田元知事について著作もある沖縄国際大学の野添文彬教授。国際都市形成構想の県政での位置づけを解説します。

沖縄国際大学 野添文彬教授

「沖縄県側がこのような具体的な要求をしてくる、沖縄県がこうした準備をしてくるということを、当時、日本政府は予想していなかったところがある」

「(大田元知事は)研究者時代の経験もあって、地方分権に非常に関心を持っていた。同時に、沖縄戦の体験者ということもあって、平和にも関心を持っていた」

「大田氏の人生が、ある意味で沖縄の近現代史を象徴するものだった。そういう中で、吉元氏が副知事として支えながらビジョンを具体化していったとみている」

1996年になって政府側では橋本内閣が発足。4月に普天間基地の全面返還を示します。日米両政府は1996年の末、SACO最終報告として一部の基地返還の方針を打ち出しました。

上妻氏

「投げるべきボールを自分たちで作って、(国側に)投げた」

「絶対に、最も譲れないのは普天間というのは、一貫して吉元さんは主張していた」

「SACOがこの基地返還アクションプログラムの考え方をできる限り汲んだ形だと思いたいけれど、その中に普天間が入ってくるのは当然でしょ、と思う」

ただ、30年前に示された普天間基地の返還は、普天間基地の移設先として名護市辺野古が示され、政治的な混乱が続き、普天間基地はいまも宜野湾市の真ん中に存在し続けています。

野添教授

「沖縄県側は日米安保や日本の安全保障のあり方、全体の構造の問題として、普天間の辺野古移設問題を捉えている。対して日本政府側が考える普天間の辺野古移設問題は、危険性除去ということに絞られ、そこにずっとズレがあるまま今日まで来ている」

橋本総理(当時)

「平和で活力に満ち、潤いのある地域の実現を目指した『21世紀・沖縄のグランドデザイン』は、沖縄県がその願いを込めた構想であると承知いたしております」

一方の国際都市形成構想。国側は協力姿勢を一定示したものの、県内の合意形成や県庁内の態勢の不調、大田県政の終焉など、様々な要因でフェードアウトした形となりました。

上妻氏

「吉元さんが言っていた。白いキャンバスに思い切って将来像を描いてください、と」

普天間の返還合意から30年。アメリカ軍専用施設が沖縄に集中し、近年は対中国を標榜した拠点化も進む中、沖縄の自立的な発展は許されないのでしょうか。

上妻氏

「悲しいくらいの日米関係の現実。アメリカは戦利品だと思っているんじゃないかとも思うわけ、いまだに沖縄中の基地を」

「そのアメリカですら、これは動かないとまずいと、この時は動いたわけですよ。同じことが、また同じ可能性があるかどうかは全くわからない」

「米中関係も含めてこれからを考えた時に、沖縄問題は塩漬け、沖縄の基地は塩漬けですか、と聞きたいね」

2026年4月13日月曜日

報道記事/特定利用空港・港湾 識者談話 上妻毅氏

 2026410日の琉球新報に当法人代表理事・上妻毅へのインタビューを含む以下の記事が掲載されました。

特定利用空港・港湾 県内道路整備10件 軍事利用 既成事実化進む

https://ryukyushimpo.jp/politics/entry-5180931.html

識者談話 上妻毅氏(ニュー・パブリック・ワークス代表理事)

「県は主体的に検証を」

https://ryukyushimpo.jp/politics/entry-5180929.html


2026年3月28日土曜日

沖縄県振興審議会(第73回)開催

 2026325日、沖縄県振興審議会(第73回)が那覇市内で開催され、当法人代表理事の上妻毅も委員として参加しました。


本審議会は、2022年度にスタートした10年計画「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画(第6次沖縄振興計画)が計画の折り返しを迎えることから招集され、学識経験者19人、関係団体の代表者31人を含む54名で構成されています。

沖縄タイムス(2026.3.25

人口減や物価高 課題に 6次振計前期検証 県、改定反映へ

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1802890

琉球新報(2026.3.25

人口減など新たな課題 県振興審  基本計画改定へ議論

https://ryukyushimpo.jp/politics/entry-5147833.html

以下、上妻発言要旨

小規模離島の現実

評価検証報告書()の第章「新たな課題に対応した施策展開の方向性」では、現計画では十分に対応できていない問題として、人口減少、物価高、人手不足の3つが挙がっている。

沖縄県全体よりも顕著に、これらが深刻な現実になっているのが小規模離島である。宮古島、石垣島を除いたこうした島々が、今のままこれからも持続可能か?という問題意識とともに私見を述べたい。

人口減少

1960年以降、石垣市を除く県内すべての離島自治体で人口の減少が続いてきた。1960年との比較で50%を超える減少となった離島町村は少なくとも9自治体、現在は10を超えていると思う。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、さらに深刻な人口減が示されている。

これまでは、島外への住民の流出による‘自然増を上回る社会減’。これが多くの島々の人口動態だった。しかし、今後は‘自然減と社会減の同時進行’という、より厳しく困難な状況に小規模離島は直面する。このことを十分に認識する必要がある。

住宅建築費用

物価と同様、あるいはそれ以上に切実な問題として、離島の住宅建築費がある。

つい最近、西表島・浦内地区のコンクリート造住宅の建築単価は1坪あたり150万円との報道があった。また、生コンクリートの単価は、過去(2006年)の調査で東京都の小笠原村(父島、母島)が1㎥あたり36,000円、本土の都内が12,000円。一方、2024年、八重山の地元紙で石垣島が1㎥あたり41,000円、竹富町小浜島の町営住宅建設で89,000円という数値が報じられている。建設事業者がおらず、コンクリート工場もない離島では、住宅建築に必要な資材も、機材も、すべて島外から運び込まなければならず、また、作業員を含む人の交通費も宿泊費も発生する。

そうした輸送コストや人の移動に伴う全コストが住宅建築費に上乗せされるのが小さな島、二次離島や三次離島の現実である。

人手不足

医療、介護、行政職員、エッセンシャルワーカーなど、様々な人材の確保と人手不足に常に直面しているのが離島町村の実状である。

島の医療・福祉を支える医師、看護師、保健師、介護士、また、島の生命線である航路を支える船員、海事従事者の確保は離島住民の生活と地域の存続に不可欠である。しかし、人材の奪い合いは激しさを増しており、例えば沖縄水産高校の多くの卒業生が県外に就職しているといった状況も聞かれる。

島嶼県としての重要課題

沖縄本島と38の有人離島で構成されるのが沖縄県であることは改めて言うまでもない。

県全体の平均値をまとめるような評価検証では、ともすると小規模離島の深刻で切実、待ったなしの状況が見落とされるのではないか?という心配も伴う。現在の沖縄振興計画が対応できていない課題や問題が顕著に表れている地域への視点を大切に、今後の検討作業を進めてほしい。

加えて一点。島嶼県であるがゆえに生じるコストなど、沖縄固有の課題を改めて深掘りすることが必要と考える。


2026年3月19日木曜日

沖縄県「小規模離島における持続可能な社会の実現に関する万国津梁会議」(第3回)開催

2026313日、第3回「小規模離島における持続可能な社会の実現に関する万国津梁会議」が沖縄県庁で開かれ、当法人代表理事の上妻毅も委員として参加しました。

以下、報道記事を掲載します。

八重山毎日新聞(2026.3.15

県万国津梁会議 離島支援、施策提言へ 12項目、中間報告案まとめ

琉球新報(2026.3.14

離島の住宅整備 コスト最大2倍 万国津梁会議で中間報告

https://ryukyushimpo.jp/politics/entry-5117414.html

以下、上妻発言要旨

中間報告() について

「小規模離島における現状と課題」の12項目は、これまでの議論を踏まえた妥当な設定だと思う。

「担い手の確保」に関して

今後の重要事項として、改めて 「外国人労働者」について触れておきたい。

インドネシアからの特定技能労働者が製糖工場を支えている北大東島の事例のほか、粟国島でも製糖工場の季節労働者向け宿舎を整備し、38人のインドネシア労働者が利用する旨の報道があった。「彼らの力なしには製糖作業が成り立たない」とのコメントにもあるとおり、外国人労働者が島の産業を支えている現実がある。また、宮里委員(座間味村長)からは、船員に関しても外国人労働者の受け入れを検討する必要性が指摘されている。

離島と外国人労働者に関わる視点として、以下の二点を申し上げたい。

①島の文化やコミュニティとの共生が不可欠の要件 ~「多文化共生」以前に~

②外国人の労働研修と生活順応の拠点としての小規模離島の可能性

「住宅の確保」に関して

竹富町が黒島に職員住宅を整備する報道があった。

14戸の職員住宅を民間事業者が建設。

・町が年間704万円で12年間借り上げ、期間満了後は無償譲渡。

BLT方式:Build(建設)Lease(借り上げ)Tlansfer(譲渡)

住宅の確保に関わる今後の検討課題を二つ挙げる。

①事業化手法(PFIPPP、公共側の支援措置を含む)

②離島に適した建築工法

(例)プレハブ,コンテナ,プレキャスト,ユニットハウス,3Dプリンター,タイニーハウス等

「物流ネットワークの効率化」に関して

「物流ネットワークの効率化」と「持続可能な公共サービスを支える体制」の双方に共通する課題がある。具体例と合わせて提起したい。

本来、ネットワークやシステムあるいは広域で問題に向き合うべきところ、現場の離島町村だけに対処対応が委ねられている実例がある。

①放置パレット:離島が末端となっている物流に関わる問題

②漂着ゴミ:今後の広域行政に関わる問題

いずれも責任の所在が曖昧、もしくは処理責任が果たされないまま現場が負担を余儀なくされているのが実態。

〇竹富町の放置パレット問題

・島に配送される荷物の運搬に使われるパレットが回収されず、町内7つの港に山積み。

(例)黒島港の放置パレット:7000枚とも(2022年)

・令和4年度、「パレット使用に関する条例」施行。町がパレットを赤と緑に塗装・色分けして船会社に貸与。町指定以外のパレット持ち込みを禁止。1000万円を超える費用をかけ、町内の放置パレットを一掃。しかし、条例施行から1年も経たないうちに指定外のパレットが放置され、再び山積みになるおそれ。

物流の末端ゆえの特殊な問題だが、物流流通のネットワークにおける離島の位置づけが不十分ないし欠落している実態を示唆しているのではないか。現場の一自治体だけが問題の解決にあたっている。物流ネットワーク全体でシステマティックな解決を図るべき。

本項は 「物流ネットワークの効率化」となっているが、効率化だけで十分か。小規模離島を包含するシステムやネットワークの再構築が求められているのではないか。

「持続可能な公共サービスを支える体制(沖縄モデル)の構築」に関して

持続可能な公共サービスを支える体制に関して、漂着ゴミの問題も引き合いに、離島町村と今後の広域行政の課題に触れたい。

まず、廃棄物に関する離島町村の現実(①処理能力の限界、②高コスト構造、③環境負荷への脆弱性)を前提に、小規模離島における廃棄物の最適処理を考える必要がある。

外海に面した多くの小規模離島は、繰り返し漂着する海洋ゴミの回収・処理の問題にも直面している。つまり、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に「漂着ゴミ」を加えた三つの廃棄物処理。漂着ゴミの中には、危険・有害な漂着ゴミ(電球、ランプ、蛍光灯、医薬品等々)もある。素足で歩けないビーチになってしまう等の安全の問題や生態系への悪影響など深刻な事態も生じている。

新・沖縄21世紀ビジョン基本計画には、‘継続的に適正処理できる環境づくり’、‘効果的な回収処理体制の構築’などと記されてはいるが、十分な対策が講じられないまま問題が放置されているのが現実。ちなみに、港を除く海岸の「海岸管理者」は、ほぼすべて都道府県知事である。

本項に書かれているのは、現状、課題とも行政職員の問題にとどまっている。「持続可能な公共サービスを支える体制」というのは職員確保だけにとどまらないのではないか。

現場の離島自治体だけに対処・対応が委ねられてきたのがこれまでの現状だとすると、沖縄県を含む広域連携広域行政による対応が今後の課題。「沖縄モデル」を打ち出すのであればこの点は不可欠と考える。その意味でも、県が進めている「市町村広域連携支援事業」は重要。広域連携に向けた検討を含め、沖縄県がリーダーシップを発揮し、新しい事業や制度創設など積極的な取り組みを進めてほしい。

「公共交通(航路)の維持」に関して

「公共交通(航路)の維持」に関しては、航路以外の公共交通も含めるべき。具体的には、沖縄本島や拠点離島との間を行き来する「航空路」と島内の「陸上交通」の二つ。

波照間島では定期航空便の運休が十数年続いた。とりわけ妊婦、高齢者、障害者などの移動に伴う負担は大きく、航空路の維持は切実な問題。

島内のスムーズな移動を支える陸上交通は、住民はもとより来訪者にとっても重要。航路・航空路との連続性を含むシームレスな交通利用環境が望まれる。

「島の活性化と産業振興」に関して

「島の活性化と産業振興」に関しては、島の資源や新しい可能性の発揮、潜在的資源を含む小規模離島の魅力や優位性の発掘と活用という視点が重要。島の活性化にも、産業振興にも不可欠と考える。

前回の会議では、琉球石灰岩で濾過される地下浸透海水を利用した陸上養殖の実例を紹介した。島の自然資源を活用した「ブルーエコノミー」と言える。

島の資源や新しい可能性を発揮する重要事項として加えたいのは、以下の三点。

・「観光」~島の資源と価値を共有する高品位の離島観光~

・「人材と雇用」~ICT活用/DX対応型の人材育成と新しい雇用の創出~

・「スマートアイランド」~社会実験・実証事業の先行モデル~

島の活性化と産業振興を実践する領域であり、具体策と考える。

観光について補足したい。林委員も指摘しておられる‘星空’、言い換えれば、光害のないダークスカイ。また、騒音のない‘静寂’。島の優れた観光資源で、心身を癒すリトリートにも、デジタルデトックスの空間としても、小規模離島は最適の環境を備えている。集客施設による観光ではなく、島に流れる「時間」や「環境」が来訪者を魅了するというところ。

さらに、来訪者と住民の双方が自然、景観、独自の文化などの島の財産を尊び、価値を共有する持続可能な観光「レスポンシブルツーリズム」は、島の資源と可能性を発揮する観光の基軸と考える。

「関係人口の創出」に関して

関係人口創出の基本形は「交流人口」から「関係人口」への進化である。

そのターゲットに、「レスポンシブルツーリズム」とともに「ユニバーサルツーリズム」の来訪者を位置づける。具体的には、障害者や高齢者などの‘観光困難者’に、安全安心で満足度の高い滞在型観光の機会を提供し、ご家族とともに新しい関係人口の創出を促進する。

「こどもたちが安心して進学できる環境の整備」に関して

教育面に関わる重要な問題として「情報格差の解消」を挙げたい。特にデジタルを通じて格差を解消する具体策として、電子図書館、電子書籍サービスがある。

・住民にIDを発行。専用サイトの電子書籍が無料で閲覧可能。

・沖縄県立図書館:図書館のない離島10町村向けにサービスを開始(2023年~)

「多様な主体との連携」に関して

小規模離島の支援や離島町村との連携を担う主体として、「地方公営企業」の可能性について触れておきたい。

・地方公営企業が主体となり、宅地造成など離島の重要事業等を担う可能性

・現在、県の企業局は水道事業が中心。枠を拡げ、離島支援のための新しい取り組みができないか。

万国津梁会議提言に関する私見

SWGsSustainable Well-being Goals

ポストSDGs2030年以降

Well-being:身体・精神・社会とも良好な状態

SWGs:「幸福」という観点から社会・経済・環境の持続可能性を捉え直そうという考え方

GDWGross Domestic Well-being:GDP(国内総生産)に代わる指標も論議されている

小規模離島における持続可能な社会の実現の方向性 ()

.不利性克服への連携

SWGs 実現への共創

2026年1月19日月曜日

自治労沖縄県本部「2026政策要求と提言」知事手交

2026年1月15日、自治労沖縄県本部は県庁で玉城デニー知事と面談し、「沖縄県に対する政策要求と提言」を手交しました。

面談には、自治労沖縄県本部政策研究会アドバイザーを務める上妻毅も同席し、4項目の政策提言の要点を説明しました。

以下、「2026政策要求と提言」要旨

1.離島町村の人材確保に係る支援体制構築と島嶼地域を支える広域連合行政の検討

◇職員定数割れ等の限界状況に置かれた離島町村職員の負担軽減と対応策を早急に講じるとともに、離島自治体の人材確保と行政運営に係る県の支援拡充を強く求める。

◇支援体制に関しては、離島町村との連携・協力体制の強化を基本方向に、継続的支援とノウハウの蓄積・共有が可能な常設セクションを設置すること。

◇本島周辺離島8村への給水拡大を進める企業局の水道広域化は、持続可能な行政サービスを保持するために必要な広域行政のあり方を示唆。香川県における先駆的事例等も参考に、対象エリアの拡大など「県内1水道」を推進方向とする検討を進めること。

◇水道以外の行政分野についても、県と離島自治体の連携・協働による新たな広域行政推進に向けた多角的検討を行うこと。ごみ処理については、離島の実状(処理能力、高コスト構造、環境負荷への脆弱性)を念頭に、新たな広域ごみ処理体制の構築に向けた検討を求める。

◇38の有人島とともに成り立つ島嶼県として、県と市町村の連携・協働による‘広域連合’の具現化に向けた積極的な取り組みを求める。

2.沖縄県環境影響評価条例の実効性の確保と潜脱行為(アセス逃れ)の防止

◇環境影響評価も周辺環境への十分な配慮も講じられないまま、土地の造成を伴う工事が重ねられてきた県内の自衛隊施設建設の実態に鑑み、「沖縄県環境影響評価条例」の実効性について検証し、条例の実効性確保に向けた検討を行うことを求める。

◇県条例の実効性確保に向けては、土地が限られ、環境負荷に脆弱な離島を念頭に、自衛隊施設建設に伴う「累積的な環境影響」を含め、主体的かつ先駆的な検討を行うこと。

◇自然環境保全に重大かつ深刻な問題を有する与那国島「比川港湾計画(仮称)」については、県民の生命と安全を最優先する見地から、計画白紙化の要請を含め、沖縄県として適正な対応を図ること。また、環境影響評価法令と別枠の「港湾環境影響評価」により、自然災害リスクの増大を考慮しない港湾建設が行われないよう対処することを強く求める。

◇22haの用地取得を見込んだ陸自石垣駐屯地の施設拡張計画について、環境影響評価法令の網の目をくぐり抜ける潜脱行為(アセス逃れ)が生じないよう、沖縄県として厳正な対応を図ること。

◇国防は国家が環境責任を免れる理由とはならない。県条例の実効性確保を重ねて強く求める。

3.誰も取り残さない公共交通システムの整備推進と生活環境の向上

◇車依存社会の脱却に向け、自家用車から公共交通への転換を図る沖縄県の取り組みを評価する。特に自家用車を使えない県民の切実なニーズを踏まえ、路線バスやモノレール等の利用環境向上を図る施策・事業の拡充を求める。

◇「移動権(交通権)」保障の観点と併せ、交通弱者の移動が阻害される社会条件を是正し、県民の生活環境向上を目指す公共交通システムの整備を沖縄県の最重要施策として推進することを求める。

◇誰ひとり取り残さない公共交通システムの実現、交通問題の改善と連動する生活環境向上を前提に、沖縄県の『次世代交通ビジョンおきなわ(仮称)』を支持し、その推進を図るよう求める。

◇公共交通空白地域の解消に関しては、地域公共交通の維持・確保に係る県内各地域の課題、住民の切実な状況を踏まえた丁寧な取り組みを求める。

◇『次世代交通ビジョンおきなわ』実現に向けた各種施策・事業の実施に関しては、「交通局」の設置等、新たな部局編成を含む強力な推進体制の確保を求める。

4.県管理空港・港湾の軍事利用リスクの防止と「特定利用」への厳正な対応

◇県管理空港・港湾の軍事利用リスクを増大させる「特定利用空港・港湾」の指定に反対する。

◇「特定利用」指定への同意は、米軍の利用に自ら同意することを意味すると捉えるべき。

◇‘南西諸島での日米の施設の共同使用拡大’や‘空港及び港湾の柔軟な使用’を決定した『日米安全保障協議委員会(2+2)共同発表』も踏まえた上、「自衛隊による空港・港湾利用の円滑化が米軍の利用増につながることはない」等の安直な見解を排すること。

◇国民保護や災害派遣を余儀なくされる事態において、「特定利用空港・港湾」でなければ沖縄県民の保護や救援活動に支障をきたすのか。明確かつ具体的な回答を政府に求めること。

◇日米合同訓練を含め、米軍の民間施設の利用を極小化することは、県内空港・港湾の管理者である沖縄県に課された責務である。

◇南西諸島全域の軍事機能強化、日米軍事行動の一体化とともに、将来にわたり県民の生命と財産、地域の平和を脅かす「特定利用」への厳正な対処・対応を求める。


琉球新報(2026.1.18

自治労県本部、デニー知事に政策提言 公共交通の整備など

https://ryukyushimpo.jp/politics/entry-4967240.html



2026年1月13日火曜日

沖縄県「小規模離島における持続可能な社会の実現に関する万国津梁会議」(第2回)開催

202618日、第2回「小規模離島における持続可能な社会の実現に関する万国津梁会議」が沖縄県庁で開かれ、当法人代表理事の上妻毅も委員として参加しました。


以下、報道記事を掲載します。

琉球新報(2026.1.9

生活費軽減など提言書骨子案に 小規模離島万国津梁会議

https://ryukyushimpo.jp/politics/entry-4941903.html

八重山毎日新聞(2026.1.9

小規模離島の課題共有 万国津梁会議 住宅問題など議論