鎌倉氏らはこれまで、「プロジェクトジャパン 戦争と平和の150年」(NHK特別番組/2009年)、「ジョン・ダワー×ガバン・マコーマック 日本と世界への眼」(BSスペシャル/2012年)、「クロスロード・オキナワ」(BSスペシャル/2012年)、「オキナワとグアム」(ETV特集/2012年)等の番組制作にあたり、沖縄、ワシントン、オーストラリア、グアムなど各地で、濃密な取材活動を重ねてきました。
本書は、これらの番組では紹介できなかった取材内容やインタビューを改めて採録するとともに、その膨大な取材成果を、350数ページにわたって以下の構成でまとめています。
本書は、これらの番組では紹介できなかった取材内容やインタビューを改めて採録するとともに、その膨大な取材成果を、350数ページにわたって以下の構成でまとめています。
クロスロード・オキナワ
-世界から見た沖縄、沖縄から見た世界-
プロローグ 十字路としての「オキナワ」
第一章 「オキナワ」はどう見られてきたか -歴史のクロスロードを訪ねて
「琉球処分」への道、日米にとっての「沖縄戦」、「冷戦」の戦場として、本土への「復帰」第二章 沖縄では何がおきているのか -普天間・辺野古・高江の「現在」
「普天間基地返還」問題の起源、辺野古で続く「ピース・キャンドル」、高江からの発信
第三章 アメリカの戦略、台頭する中国 -軍事安全保障のクロスロード
アメリカの「アジア太平洋重視」宣言、沖縄で試される「持続可能性」第四章 「オキナワ」へのまなざし -オーストラリア、グアムの現場から
米中のはざまに置かれたオーストラリア、沖縄の「合わせ鏡」グアム
第五章 新たなクロスロードを求めて -21世紀の「万国之津梁」への模索
「国境の島」与那国にて、アイデンティティとグローバリズム
エピローグ 「オキナワ」と「フクシマ」
(以下、本文より。)
私たちは、「沖縄問題」を、様々な国家の戦略や思惑から検証するとともに、沖縄で実際に暮らしている人々が自らの将来をどのように考えているか、現地の声にも耳を澄まして見つめたいと思った。
国家レベルの「沖縄問題」への視点と、その地場にある住民たちの視線が交錯するところに、沖縄発の「クロスロード」としての問いが生まれるのではないかと考えたのである。
鎌倉さんの取材・編集活動には、当NPWもささやかな協力をさせていただき、代表理事・上妻毅は、与那国島の「自立ビジョン」や「国境交流特区」の試み、沖縄県「国際都市形成構想」などについてインタビューも受けました。
*P305~308(クロスロード13:アイデンティティとグローバリズム)にインタビュー記事等掲載
基地問題をはじめ、歴史と空間の十字路<クロスロード・オキナワ>をめぐる様々な問題の焦点や議論の本質が、国内外の関係者へのインタビューを基調に、分かりやすくまとめられています。(価値ある一冊。ご一読を。)
著者:鎌倉英也 宮本康宏
刊行日(第1刷):2013年8月30日
定価:2,200円+税